南アルプス市では、平成25年度から、市内の全ての公立小中学校で「小笠原流礼法」を児童生徒が学べるようにしています。私は市外からの勤務ですが、この事業の存在を知り、実際に子どもたちが学んでいる姿を見て、「何とすばらしく貴重なことだろうか」と感動しています。
この事業の趣旨について、南アルプス市教員委員会発行の資料から引用いたします。
元来「小笠原流礼法」は、人と人との関わり合いにおいて、他者を大切に思う心を基底に、美しさと合理性を重んじたものである。また人間関係を円滑にするために、相手への配慮をいかに形に表すかということを練り上げ、体系立てられている。礼儀や他者に対する心づかいが希薄になった現代において、様々な場面で礼儀や作法の重要性が問われている。
「相手を大切に思う心」の育成のために「心の教育」として取り組んでいるのが、この事業です。
6/9は、2・5・6年生が、それぞれの発達段階に合わせて、師範の方からのご指導をもとに、「相手を思いやる心」を伝えるための基本的な所作や考え方について、学習しました。
私は、3つの学年の授業を参観させていただきましたが、6年生の教室では、図らずも「卒業証書の受け渡し方」のリハーサルまでさせていただきました。私自身も大変学び多い時間となりました。
この小笠原流礼法の学習の意味や価値が、実感を伴って子どもたちが理解できるようになるには、多少時間が必要かもしれません。しかし、小学生の多感で柔軟な時期から触れることができるのは、大変意義深いことだと感じました。